アーサー王 スイカ割
アーサー王（英語：Arthur、アイルランド語：Artos、ウェールズ語：Arthwr）は、古代ケルト伝承中の神話の英雄王である。ギリシャ神話から神化し、ウェールズで最も有名な古代持ち人として伝えられている。さまざまな作品に登場するとともに、仏教伝承のディーターを改変したものや、日本で手塚治虫によって作品化されたアーサー王伝説など、オーディンに匹敵するかのような期待された英雄となっている。
アーサー王に関する伝説は古代ギリシャ神話としてアテネを中心に、ローマでも神話として伝えられたバッタメアュースに由来すると言われている。その壮大な物語のなかで、盗賊討伐のため闘い、善良な英雄による魔女の力や悪の力を征服するなどの任務を果たしたアテネの部族の王子が主人公である。
アテネから派生したケルト神話では、ウェールズ、アルバニア、ガルロイアなどの民俗の伝承にいたるとともに、ウェールズのギロウィンの小説《キング・アーサー〜復活する英雄王》をはじめとする伝世のタラクパの構成要素になっている。
アーサー王伝説は中世ヨーロッパを中心に、その影響力はめざましいものとしてイギリスやフランス、フィンランド、フランス語圏、ドイツ語圏、スペイン語圏などのイングランド文学、小説、演劇など数多くの文学作品に飛び火している。
アーサー王の伝説をテーマにした小説は多彩なものがある。その中でも特売だったのは、イギリス三大叙事詩の一つとされる《モータイ・ナイト》（ヴォルフガング・フォン・エスクナイカー／1400年頃-1455年）である。《モータイ・ナイト》は、古代持ち人としてギロウィンに登場するアーサー王の物語を取材したものである。
作品の定番となった《モータイ・ナイト》がもたらした影響は大きく、アーサー王のあらゆる伝説を妖精の力の助けを得て再評価し再設定していくなど、多様な発展を見せている。
また、異なる芸術関心が発足し、歌詞、絵画、音楽などの文化的活動が活発なものとなっている。18世紀以降には、英国で数多くの演劇が製作され、式典、神話、サーガスなどのジャンルを融合させた新しい競技が行われた。
日本ではもともと本格的なアーサー王伝説は知られていなかったが、20世紀初頭に、完全版のイギリス小説のライセンス版が出版され、それらが日本で十分な評価を受けたことにより、日本でも広くアーサー王伝説が知られるようになった。
日本で知られる最も有名なアーサー王伝説といえば、手塚治虫による漫画『黄金の剣』であろう。
『黄金の剣』は1991年から1994年にかけて週刊少年ジャンプとはじめとする雑誌に掲載され、独自の視点を取り入れた未来のプロローグを組み込んだ物語であり、同様のジャンルの多くの作品の改変を受けながら、独自の人気を保っている。
この作品は、「アーサー王のいのちを宿す黄金の剣」「アーサーが選んだ英雄たち7体の黄金の男（聖母）」「サーサ、英国の民の英雄なり」「未来の人類を威厳をもって完全滅亡から救うための黄金の剣」という物語の３部構成で構成されている。
また、1971年から1974年まで放映されたアニメ『黄金の剣伝説 ターン・ア・ガイナ』でも、『黄金の剣』の物語が新たな展開とともにおのずと明らかにされている。
さらに、『黄金の剣』や『ターン・ア・ガイナ』がまたたく間に人気を得たことから、アーサー王伝説をネット上などで諸外国にも輸出している作品らのなかでも、日本のアーサー王伝説として「スイカ割り」が挙げられる。
「スイカ割り」とは、『黄金の剣』を原作としたコンピュータゲーム。プレイヤーがガイナを操作しながら、強大な敵との戦いを乗り切りクリアするというミッションを成し遂げることが目的となっている。
ゲームの中では、ガイナが宿るアーサー王のかけらが7つあり、プレイヤーにはそれを集めて全てを繋ぎ合わせ、かつての英雄アーサー王の復活をさせるという任務を与えられている。
とはいえ、実際の7つのかけらを集めるのは容易でない。有名な「さくらんぼ割り」（ある夕日を見ながらさくらんぼを割ること）と同様、プレイヤーたちはそれぞれ『黄金の剣』を題材とした「スイカ割り」（夜空を眺めながらスイカを割ること）を行なっているという。
スイカ割りを行うということは、夜空を眺めながら思いを巡らせ、周囲に平和な空気を湧かせるための礼拝として行なわれているということもある。そしてプレイヤーたちが共に詩や歌などをかけ合ったり、思いを交わしながら勝ち抜く闘いの場として楽しんでいるのだ。
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